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オトナファミ付録『家庭用ゲーム機完全図鑑―昭和編―』 [レビュー]

オトナファミ 2011年 01月号 [雑誌]

オトナファミ 2011年 01月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/11/20
  • メディア: 雑誌
エンターブレインが発行している"インドア系エンタメ総合誌"。今号よりめでたく月刊化とのこと。
個人的に、オトナファミは書店で数回手に取ったことがある程度でした。特別付録の『家庭用ゲーム機完全図鑑―昭和編―』を目当てに11年01月号を購入してみました。

kanzen_zukan.jpg36ページの小冊子に計45機種を掲載。
表紙をめくってまず驚いたことは、世界初の商用家庭用ゲーム機となるマグナボックスオデッセイが大きく取り上げられていたことです。日本未発売なので、てっきりスルーされているものと思っていました。

さらに、エポックテレビテニス、カセットビジョン、ファミコン、メガドライブなどの日本で発売された主要ゲーム機はもちろんのこと、家庭用PONGにアタリVCS、コレコビジョンといった米国由来のコンソールを紹介。「昭和編」とのタイトルになっていますが、平成に入ってからの発売となるゲームギアやネオジオも何故か含まれています(笑)。

ゲーム画面、本体写真に加えて、短いながらも的確な解説文が添えられており、ちょっとした資料として十分使えそうな印象。
オデッセイ2の北米での発売が"80年代初頭"*1、コレコビジョンの価格が170ドル*2になっているなどいくつか疑問に感じる記述もありますが、雑誌付録としては期待以上の内容でした。
ちなみに次号のオトナファミ2011年02号には『平成編』が付属するとのこと。『昭和編』ともども、レトロゲームファンの方には是非とも購入をおすすめしたい一冊です。


■アルカディアの起源

dynavision.jpg
ダイナビジョン
香港の電機メーカーが手掛けたゲーム機を、朝日通商(現、玩具メーカーのシー・シー・ビー)が輸入販売。外箱などはオリジナルながら、中身は米国で発売されていた"アルカディア2001"。同機は性能に大きな違いはないものの、"エクセラ"という名前で国内販売されていたり、世界の各地域で様々に姿を変えて登場。当時、世界で一番広く展開されたマシンかも?

今回の『家庭用ゲーム機完全図鑑―昭和編―』で、個人的に惜しいなあと感じたのがこの部分。
日本ではバンダイのアルカディア、米国ではエマーソン社のアルカディア2001、欧州ではハニメックス社のHMG 2650との名で知られるゲームシステムたち。
その共通点は、フィリップス傘下の半導体メーカーであるシグネティクス社のチップセット(2650+2637N)を採用していることです。全世界で実に30以上の互換機の存在が確認されています。

何故、これらの内部的に同一なゲーム機が広く普及していたのか?
その詳しい解説はClassic 8-bit-16-bit Topicsさんの次の記事をご覧いただきたく思いますが、80年代前半当時に"ゲームシステム一式を他社にライセンス供与する"という、後の3DOのような互換機戦略が試みられていたことは非常に興味深い事実と言えます。
スプライトの起源 (2) Emerson Arcadia 2001

ちなみに蛇足ながら、『ゲーム機完全図鑑』の説明の通りこれらのアルカディア系コンソールたちは、そのほとんどが香港で製造されていたようです。また、『The encyclopedia of Game Machines』によれば、ゲーム開発にも香港のエンジニアが関わっていたとの指摘があります。
ただし日本のバンダイが発売した『マクロス』などの版権モノのゲームは、渋谷のソフトハウスで開発されたとの証言*3があったりと、まだまだ謎は尽きない感じです(笑)。


*1 オデッセイ2の米国での発売は1978年。
*2 『Supercade』によれば、コレコビジョンの希望小売価格は199ドル。
*3 ファミ通1042号 『Road to Famicom』(08年)より
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