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MSX版『ロードランナー』の広告とアーケード大賞 [レトロゲーム]

100年前の「アーケード」ってどんなところ? 「アーケードゲーム」の語源を調べていたら、見世物小屋みたいな妙な自動機械がたくさん出てきた

 電ファミニコゲーマーにて、ゲームセンターや業務用ゲームを意味する「アーケード」との言葉の起源と、その定義の変遷を解説した記事が公開されています。
 かくいう僕自身、以前は「アーケード」という語を、商店街の軒先にゲームが設置されていたことにちなんでいるものと誤解していました。しかし実際には、100年以上も昔のアメリカにルーツを持つ言葉であることが同記事の中で示されており、ゲームファンには必読の内容となっています。



 さて唐突ですが、ここから個人的な話を。
 奇しくも僕には、「アーケード」という言葉を強く印象付けられた30数年前の思い出があります。それはMSX版『ロードランナー』の雑誌広告です。

Lode Runner (1983)  (MobyGames)
 『ロードランナー』は1983年に発売されたパズル・アクションゲーム。オリジナルはApple II版ですが、以降の主要なPCや家庭用ゲーム機に必ずと言ってよいほど移植されています。(というか、当ブログをご覧になるような方には説明不要ですよね?)


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 ともあれMSX版『ロードランナー』に話を戻すと、同作品は1984年11月にROMカートリッジ版、そして翌1985年にディスク版がソニーより発売されました。
 上の画像はMSXマガジンの1985年4月号に掲載された広告なのですが、注目して欲しいのは宣伝文です。(画像をクリックで拡大表示)

ロードランナーがMSXになった
アメリカ「エレクトロニック・ゲーム」誌で、'83年年間最優秀賞。ゲームの本場、アメリカでも、今やだんぜんNO.1の大人気だ。

パソコンゲームの本場、アメリカでもっとも人気があり、評価の高いのがこの「ロードランナー」。'83年最人気プログラム賞、'84年アーケード大賞など、数多くの栄光に輝いてきた。

 1985年当時の僕は、すでに「アーケード=ゲームセンターやそこに置いてあるゲーム」という認識を持っていました。そのため、この宣伝文の中の「アーケード大賞」という言葉に強烈な違和感があったことを覚えています。
 パソコンゲームの『ロードランナー』がアーケードの大賞?一体どういうこと?――そんな疑問と共に、このMSX版『ロードランナー』の広告は僕の頭の片隅にずっと残っていました。

 そして時は流れてインターネットの時代。海外のWEBサイトを通じて、ようやくその真相に辿りつくことができました。
 結論から先に述べると、「アーケード大賞」は確かに存在しました。それは、先の広告にも名前が挙がっている「エレクトロニック・ゲームズ」誌に掲載されていた記事だったのです。


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Electronic Games (Digital Press Library)
 「エレクトロニック・ゲームズ」はアメリカで初めて出版されたゲーム専門誌。元々は映像機器等を取り扱う雑誌の「ビデオ」において、ビデオゲームを紹介するコラムであった「アーケード・アレイ」に起源を持ちます。その内容が好評であったことに加えて、当地でビデオゲームブームが巻き起こったことから1981年末に単独誌として創刊されました。

 その「エレクトロニック・ゲームズ」誌上において、毎年末に開催されていたのがArcade Awards(=アーケード大賞)となります。業務用ゲームのみならず家庭用ゲーム、コンピュータゲーム等について、年間最優秀タイトルを選出する企画でした。
 つまり「アーケード大賞」とは、ゲームセンターや業務用ゲームのことでなく、「ビデオゲーム全般」の意味でアーケードとの語が使われていたというオチになります。*注


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 というわけで、上の画像は「エレクトロニック・ゲームズ」誌1984年1月号より。1983年に発売されたゲームを対象とする「the 1984 Arcade Awards」のコンピュータゲーム部門において、『ロードランナー』が最優秀タイトルに選ばれたことが記されています。(画像をクリックで全体表示)

 ……そうなると、ソニーの広告の宣伝文には不審な点が浮かび上がります。見出しに挙げられている「'83年年間最優秀賞」と本文の「'84年アーケード大賞」は、いずれも先に述べた「エレクトロニック・ゲームズ」誌1984年1月号の賞を指していると考えられます。つまり、本来は同一のものであるにもかかわらず、全く別のゲーム賞であるかのように表現を変えていることになるわけです。
 「アーケード大賞」の謎が解けたことは良いのですが、まさかMSX版『ロードランナー』の広告に水増しじみたことが行われていた事実を知ってしまい、少々複雑な気分です(笑)


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 ちなみにその『ロードランナー』ですが、現在では日本のTozai Gamesが権利を取得。追加ステージやオンライン機能を実装した『ロードランナー・レガシー』が現行プラットフォーム向けに配信されています。80年代に遊び倒したオールドゲーマーも、全く未経験な若いゲームファンも、今こそプレイしよう!ロードランナー!

(脚注)
*注 実はこのような変則的な用法は、同時期のアメリカの出版物を眺めていると他にも散見される。例えば家庭用ゲームやコンピュータゲームでも「スコアシステムのあるシングルプレイ型のゲーム」のことが「アーケード」と表現されている例がある。

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aki

ブログ主様書込みお許し下さい。
中国ロシア軍艦の日本侵犯が増す中、日本が侵攻されぬ為どうか皆様に知って頂きたい、中韓へ忠誠を表明した野党が阻止する改憲の必要性を、危機感を持ち知って頂きたく誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

報道するテレビが無い中、中国等の日本領海侵犯が激しさを増す現状は、かつて9条の様に非武装中立で平和的であったチベット等を現在も中国が武力で侵略虐殺を行う惨状を連想させ、

現在対馬を狙う韓国が日本の竹島を不法占拠した際、多くの船員が機関銃で襲撃され死傷し、北朝鮮には国民を拉致され、
尖閣を狙い中国が侵犯する現状でも、9条により日本は国を守る為の手出しが何一つ出来ません。

中朝ロの数千発の核ミサイル標準は常時日本に向けられており、尖閣、台湾周辺の動きも激化する中、9条を改正し自立した戦力を持たなければ、
有事に敵地攻撃力を持たぬ現状防衛力では日本人の命と領土は守れません。

中韓による侵略は、野党が法制化を目指す外国人参政権や(円安悪の民主党政権での円高誘導は日本経済を破綻危機に追い込みました)

又「朝鮮の役に立ちたい」と表明した維新による、国の権限を弱め、地方独立から国家分断を図る道州制等、多様性と言う名の文化破壊活動からも始まっており、

外国人参政権は米国始め世界的に認める国は少なく、これを与えた事でハワイは米国に、ウクライナクリミア半島もロシアに乗っ取られた過去があります。

又背乗りやスパイ等の犯罪発見の役割も果たしている戸籍廃止に繋がる夫婦別姓や、日本人のみを処罰対象とした、特定国への反論を封じるヘイトスピーチ条例等、

先進国で唯一スパイ防止法が無い日本で、
中韓に軸足を置き、友好を刷り込む野党やメディアが、制度の危険性を隠し国民を誘導する現状からも、既に浸透工作は最終段階である事、
日本でウクライナの悲劇を生まない為に投票の大切さと、一人でも多くの方に目覚めて頂きたいと切に思い貼らせて頂きます。
https://pachitou.com
長文、大変申し訳ありません。
by aki (2022-06-28 22:43) 

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