宮本茂氏のタイムパラドックス？

宮本氏が手掛けているのはソフトだけではない。ハードの開発、とくにコントローラーのデザインは同氏の意見が強く反映されている。ファミコンではゲーム＆ウォッチ版『ドンキーコング』で搭載された“十字キー”を採用し、スーパーファミコンではコントローラー上部にLRボタンを設置するといった具合にだ。（中略） スーパーファミコンのLRボタンは、アーケードで一大ブームを巻き起こしていた『ストリートファイターII』の6ボタンへの対応を考えてのこと。単純に3つのボタンを上下に並べるという意見もあったそうだが、操作が混乱してしまうことを危惧して、コントローラーを持った際自由になるひと差し指で押せる本体上部に設置したそうだ。

○「世界でいちばん売れる何かを作りたい」 宮本茂氏が仕事史を語る　（from ファミ通.com）

これ、一見すると宮本茂氏の非凡さを伝える素晴らしいエピソードなんですが、皆さんは何か違和感を感じませんか？



スーパーファミコンの発売は９０年１１月２１日。これに対して、｢ストリートファイターII｣の稼動は９１年の春になってからの筈なんですけど。*注


もちろん、誰しも記憶違いや勘違いはあります。あるいは、この文章はあくまでファミ通の記者が"翻訳"したものであり、宮本氏の発言を誤って伝えているのかもしれません。
僕自身、このblogでも過去に宮本茂氏の功績を取り上げてきただけに、どうしても首をかしげざるをえない話です。
とりあえず、他のメディアのレポートを待った上で結論を出したいと思います。（もしも実際にデジタルコンテンツEXPO2009での講演に参加された方がいらっしゃいましたら、是非とも情報をお寄せください）

*注　徹底攻略!! ゲーメストさんによれば、ゲーメスト誌での｢ストリートファイターII｣の初出は９１年２月発売の第５６号とのこと。

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コメント 5

講演に参加していました。

SFCコントローラ設計の話の際、宮本氏は「社内のメンバーから、『パッドは上段3個・下段3個の6ボタンの並び以外考えられない』と何度も何度も言われた。大ヒットしたスト2がそうだからですね。でもL・Rボタンがあるから数は足りているし、慣れればなんとかなるやろ、と僕は思ってて実際なんとかなった」という旨の発言をされていました。
微妙な言い回しなのですが、話の流れとして、新しいコントローラをどういう発想でデザインしていったか、という部分での発言なので、ファミ通の記述は間違っていないと思います。
おそらく宮本氏の思い違いだろうと僕は思います。ただ、実際に他機種のように別売の6ボタンパッドか何かが任天堂で検討されていて、その件と混同されたのではないかと思います。
by NO NAME (2009-10-25 17:24) 

そもそも記事がファミ通なあたり、ebが勝手に書いたんじゃないかなぁ。
宮本さんがそんなアホな間違いするとは考えにくい。
by 柾木神威 (2009-10-26 02:32) 

6ボタンはストリートファイターの頃からあったので
1と2の勘違いをしたという可能性も
ファミ通ならありそう
by zentaroh (2009-10-26 12:23) 

>講演に参加していました
情報ありがとうございました。
そうですね、僕も｢ストIIヒット以降に、新しく6ボタンパッドを発売すべきか？｣という議論を、あたかもSFC発売以前の話のように紹介してしまったというのが真相だと思います。

>柾木さん
まとめのエントリーにも書きましたが、今回に限ってはファミ通の方が正しいようです。まあ、｢大人はウソをつくのではありません。 間違いをするだけなのです｣ってことで個人的には納得してます。

>zentarohさん
初代ストリートファイターの6ボタンって、当時としてはかなり特殊ですよね。あれよりボタンが多い業務用コンパネって、麻雀ゲームぐらいじゃないでしょうか？（笑）
by loderun (2009-10-30 19:46) 

時期的にもたぶん、３DOの開発のときの話だと思います。
昔のことなので間違えたんじゃないかな・・・

by タイガーニー (2010-02-04 20:52)