『Gravitar』の世界記録、24年ぶりに更新される! [レトロゲーム]
○Dan Coogan's Gravitar site
○Gravitar Scoreboard (from Twin Galaxies)
2ヶ月前の話ですが、どうしても紹介しておきたかったトピックです。
知る人ぞ知るアタリのベクタースキャンSTG、『Gravitar』の世界最高得点がなんと24年ぶりに更新されました。新記録となったスコアは8,029,450点、プレイ時間は23時間15分にも及んだそうです。
この偉業を達成されたのは、米アリゾナ州在住のDan Coogan氏。上に挙げた『Gravitar』攻略サイトを運営されている方でもあります。
そもそも、『Gravitar』(グラビター)というゲームを知っている人が、我が国ではどれほど居るでしょうか?実は僕自身も数年前に、ATARI VCS作品を集めたプラグ・アンド・プレイ機で、このゲームに初めて出会いました。
最近だと、DSの『アタリミックス』やXboxワールドコレクションの『アタリアンソロジー』に、オリジナルのアーケード版が収録されています。
んで、実際にプレイされた方ならご存知の通り、この『Gravitar』とにかく難しいんです(笑)。
重力と慣性が影響する宇宙空間を舞台とし、緻密な操作が要求されることから、“『アステロイド』と『ルナランダー』を足して2で割ったゲーム”としばしば形容されます。
その難易度の高さ故に、アタリのベクタースキャン作品の中でも極めて人気が低く、稼動期間も短かったそうです。
しかしこの作品で確立された、“重力下の自機を操作し、洞窟状の地形を侵攻する全方位STG”とのゲームデザインは、その後も生き続けました。
俗に、"cave-flyer"と呼ばれるSTGの一ジャンルとして、『Thrust』、『Gravity Force』といったフォロワーが生まれています。
このような点から、『Gravitar』はゲーム史を考える上で、記憶に留めるべき作品であると僕は思います。
話を戻して、このたび世界記録を樹立されたCoogan氏について。
意外なことに、彼は『Gravitar』がリリースされた1982年より、ほんの6年前の2001年になるまでこのゲームをプレイしたことがなかったそうです。なんと、マルチ・アーケードマシン・エミュレーターのMAMEを通じて、本作に出会ったと述べています。
たちまち『Gravitar』の奥深いゲーム性に魅せられたCoogan氏は、02年に中古のアップライト筐体を購入(!)。研鑚を重ね、世界記録を打ち立てる程の腕前になられたということです。
写真を見ての通りこのCooganさん、年齢的には40過ぎのおっちゃんなんですが(笑)、今尚レトロゲームに対する飽くなき挑戦心を持たれている点は僕も大いに見習いたい。
“人は誰でもハイスコアラーになれる”のだと、なんだか勇気付けられるお話でした。
改めて、Dan Coogan氏の偉業に心から拍手を贈りたいと思います。
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