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映画感想 リメイク版『犬神家の一族』 [レビュー]


犬神家の一族 公式サイト
『犬神家の一族』40点 (from 超映画批評)

行ってきました。
結論から言うと、至福の134分を過ごすことができましたね。いやぁ、こんなにワクワクしながら映画を見たのは久しぶりです。

ただしこの作品、超映画批評でも指摘されているようにカット割、アングル、セットの雰囲気、果ては登場人物のセリフに至るまで、ほとんどの部分が76年版『犬神家』と共通しています。
僕自身も、ここまでまるごとコピーされているとは予想外でした。
「そんな映画の、なにが面白いの?」と普通の人なら思うかもしれませんが、あいにくと僕は普通ではないのです(笑)。

つーわけで本作を楽しむ上で、必須事項は以下の通り。
まず、― 横溝正史の原作小説を読んでいるのは当然として ― 76年公開の『犬神家』を最低でも20回以上視聴しましょう。これは絶対条件であり、反論は認めません。いますぐDVDを購入して来てください。
加えて、『獄門島』、『悪魔の手毬歌』、『女王蜂』、『病院坂』と、他の石坂金田一作品も見ておきましょう。こちらは最低でも10回ほど。
そんな感じで、かつて製作された石坂金田一映画を徹底的に頭に叩き込むことで、このリメイク版『犬神家』は真価を発揮するのです。

要するに、加藤武演ずる警察署長が「よし、分かった!」と言う度に大笑いし、犬神小夜子が障子に吹っ飛ばされるシーンに大笑いし、菊人形の生首を見て絶叫する金田一に大笑いし、「何が一番おいしかった?」「生卵」に大笑いし、松子が鮮血を顔に浴びるシーンに大笑いできるような、歪んだ金田一映画ファンになることこそが、この映画を楽しむ唯一の方法であると僕は考えます(笑)。
つうか実際に劇場での体験談ですが、加藤武が粉薬を噴くシーンに周りの観客が無反応で驚きました。なんで大ウケしてるのがオレだけなんだよ!

確かに、「松嶋菜々子が珠代役って背がでかすぎね?」とか、石坂浩ニの老けっぷりとか、「なんで犬神奉公会の人を削ったんだよ!」とか、細かい不満を挙げればキリがないです。
もっとも僕としては、ラストシーンを見て全てを許せる気持ちになりました。前作同様、那須駅で終わると思っていただけに、あれはこの映画で一番のサプライズでしたね。
なにより、大野雄二のメインテーマと極太明朝の「監督 市川昆」を劇場のスクリーンで見ることができだけで、僕としては感涙モノ。

結論として今回のリメイク版『犬神家の一族』は、76年版『犬神家』が好きで好きでたまらない人にのみ楽しむことが許される、ファン・サービス映画であると思います。
もうせっかくだから、この調子で『獄門島』や『悪魔の手毬歌』もリメイクしてくれないかなぁ。


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