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『クロサギ』をいっき読み [日記・雑感]

クロサギ 1 (1)

クロサギ 1 (1)

  • 作者: 夏原 武
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2004/04/05
  • メディア: コミック

『のぞき屋』とか『Bバージン』とか『三丁目防衛軍』とか連載していた頃(またずいぶん昔の話だね)は、毎週購読していたヤングサンデー。もっとも、ここ数年は『闇のイージス』を立ち読みする程度でした。よもや、こんなに面白いマンガを見逃していたとは…
というわけで、慌てて既刊分の単行本9冊を購入。一晩でいっきに読んでしまいました。


■あらすじ
「騙すのが悪いんじゃない、騙す相手を間違えるのが悪いんだ」
詐欺に遭った父が起こした一家心中で、ただ独り生き残った主人公・黒崎。彼は、詐欺師を騙し返す“クロサギ”となり、かつて家族を死に追いやった詐欺師への復讐を誓う。


■感想
この作品の何が素晴らしいかって、詐欺師を法で罰するのではなく、欲望と過信につけこんで騙し返す点なんですよね。
ネタバレになりますが、個人相手の絵画詐欺師に、法人を装って大量購入を持ちかけるとか、ニセ時計を扱う詐欺師により精巧なニセ時計を掴ませるとか。
要するに「いやがらせ度」が高いんです。

それで思い出したのですが、絶対に誰もわからないネタを一つ。
昔むかしに「麻雀ゴラク」という麻雀劇画誌がありました。んで、僕のお気に入りは『ピン』という作品だったのですが、主人公の必殺技が凄かった。
名前が奮ってて"センセーショナル・ショッキング打法”と言います。

これはどんな技かというと、理論派の打ち手には迷彩バリバリの捨て牌を打ち出してロン牌を引き出すとか、フリテンリーチ→高めツモで対局者を愕然とさせるとか、染め手と見せかけて違う色で待つとか ―書いてる僕も、なにがセンセーショナルだかよくわかりませんが(笑)― とにかく相手に精神的なダメージを与えつつ勝ちをもぎとるという打法なのです。
相手の得意な土俵でこてんぱんにするのって、最高の「いやがらせ」ですね。

それにしても、『クロサギ』に登場する詐欺師たちって、表面的には柔和で穏やかな表情の人が多い。いかにも悪人然としたキャラクターじゃない点が、かえって真に迫っている印象を受けます。
つーわけで微笑みながら儲け話をもってくる人がいたら、皆さんも気をつけましょう。


ところで、詐欺師もの(って表現でいいのか?)を取りあげたついでに、是非ともこちらの古典作品をおすすめします。

スティング スペシャル・エディション

スティング スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/12/23
  • メディア: DVD

■アカデミー賞作品(作品賞、監督賞など合計7部門を受賞)
公開は73年だが、時代を越えて色褪せないストーリー、クセのある登場人物たち、いい意味での映像の"古くささ”も含めて非常に魅力的な映画。右手にウイスキー、左手に葉巻でも燻らせながら観たいところ。
つうか、ロバート・レッドフォードが若い!(←そりゃそうだ)


詐欺師入門―騙しの天才たち その華麗なる手口

詐欺師入門―騙しの天才たち その華麗なる手口

  • 作者: デヴィッド・W. モラー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 単行本

■『スティング』の元ネタ。
書名から、詐欺師になるための「HOW TO」本かと誤解しそうだが、そんなことはありません(笑)
20世紀前半、アメリカを股にかけた大物サギ師たちの実録記。
『クロサギ』と併せて読むとわかるが、「いかに人を騙すか?」という方法諭は今も昔もあまり変わっていないことがよくわかる。
どうやら絶版みたいですが、古本屋・マーケットプレイスでどうぞ。


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