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「スナッチャー」の真実 (オレと小島作品の思い出) [レトロゲーム]

小島秀夫監督
日本が世界に誇る、有名ゲームクリエイターの一人だ。
任天堂の宮本茂やポケモンの田尻智と同様に、ライトユーザーでも名前くらいは聞いたことがあるだろう。一般的に彼の名を世界に轟かせたのは、数々の賞を受賞し記録的なセールスとなったPS版の「メタルギアソリッド」である。しかし小島監督のルーツがMSXにある事は、ゲームに詳しい者の間ではよく知られている事実だ。

デビュー作はMSX2版の「メタルギア」(以下、「初代」と呼ぶ)である。コンセプトは現在のPS2版と同じで、「隠密潜入」というユニークな代物。やはりMSX2でリリースされた「メタルギア2 ソリッドスネーク」(以下、「2」)と並び、名作との呼び声高いゲームだ。しかし、実際に「初代」や「2」をプレイした人間がどれほどの数がいるのかと思うと、心もとなく感じる。(実は現在携帯アプリとして配信されている、需要の方はどれくらいあるか知らないが)
いずれにしても、PS版「メタルギアソリッド」、続編の「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティー」、そして昨年末に発売された最新作の「メタルギアソリッド3 スネークイーター」を支持するゲームファンの方が圧倒的に多いのは事実であろう。

ちなみにオレは、MSX2の「初代」および「2」はもちろん、「メタルギアソリッド」も「サンズ・オブ・リバティー」もクリアした。「スネークイーター」については先日に知人の家でプレイさせてもらった。大仰なオープニングムービーの後に大地に降り立ったオレの操るスネーク。ジャングルを進むと池にたたずむ大ワニを発見!「レッツ ハンティング!」とばかりに水面に足を踏み入れたところ、それは底なし沼だった。いきなりゲームオーバーになりオレはコントローラーを放り投げた。やはり一番おもしろかったのはMSX版の「初代」と「2」だとオレは思う。

ところで冒頭にも述べた通り、小島秀夫といえば敬称は「監督」なのである。これは単なる「ディレクター」という意味では、決してない。誤解を恐れずに言えば、「映画監督」と同義なのだ。
「メタルギアソリッド」シリーズをプレイした人には説明不要だと思うが、小島作品は極めて「映画的」である。最も端的なのはゲーム中に挿入されるムービーだ。アングル、カット割り、演出など明らかにハリウッド映画の影響下にある。さらに言えば、ゲーム全体を包む独自の「世界観」。元々、ポリティカル・フィクションの色合いが強い作品が多いが、それを補完する膨大な設定、複雑な人物関係、伏線を張り巡らせた多くの謎。そして、本人自身も「映画好き」であることを公言している点。彼が「監督」と呼ばれる由縁である。

という訳で「スナッチャー」だ。8bit時代のPCゲーマーなら誰もが納得すると思うが、「スナッチャー」こそ小島秀夫がゲームにおける「映画的」表現を試みた最初の作品である。
このゲームは当初PC88、およびMSX2でリリースされた。ジャンルはアドベンチャーゲームだ。ストーリーについては後に紹介するレビューサイトにまかせる。とりあえず、ここではバックグラウンドとして「上記のPC版では話が完結しなかった」ということを説明しておく。

問題は、すべての謎を解明するはずの「続編」である。なんと、これがMSX2に「SDスナッチャー」というタイトルで、ジャンル変更(ADV→RPG)および、シリアスな登場人物をデフォルメしてSDキャラにしてしまうという、ほとんど別作品として発売してしまうのである。発売時期がMSXの末期ということもあり全く売れなかったと思われる。オレ自身、当時既にMSXから離れており、プレイできなかった。しかし、「明かされなかった謎」が常に気になっていた。

しかし数年後、転機が訪れた。PCエンジンのCD-ROM2で、「続編」もアドベンチャーゲームの体裁で追加した、「完全版スナッチャー」が出たのだ。待ちに待っていた出来事だ。知人に本体を借り受けた。
そして…

*ネタバレ、反転表示にしてます
『謎の病原性ウイルスや殺人機械達が現れるといった数々の事件、その発端は一人の科学者の横恋慕によるものだった』

という壮絶なオチに苦悶した。尚、「完全版スナッチャー」は後にPSとサターンに移植されている。

そうなると気になるのはMSXの「SDスナッチャー」だ。実は風の噂で、『SDスナッチャーとPCエンジンの完全版とは結末が異なる。SDの方が当初監督が考えていたプロットに近い。』という話を聞いたのだ。しかし、当時MSXの「SDスナッチャー」を入手するのは至難の技、しかもオレはMSX本体を既に手放しているとあって、噂の真偽をこの目で確かめるのは、あきらめてしまっていたのだ。

以上、長い長い前フリを踏まえて紹介するのが、こちらのサイト。

月刊トラウマ
(追記) 05年4月29日をもって閉鎖されました。おつかれさまでした。

なんと、「スナッチャー」全作品をフォローした圧巻のレビューを載せられている。感激ひとしおである。んで、オレの積年の謎については…

という訳で、PC88版しかプレイしたことがなく10数年以上も謎を引きずりっぱなしの人、逆にかつてPCエンジン版で感動した記憶を蘇らせたい人、最近の小島作品しか知らない人などは是非とも読んでみてはどうだろうか?

ちなみに月刊トラウマは、スナッチャー以外も豊富なレトロPCゲームのレビュー、懐かしパソコン雑誌のデータ、プログラムポシェットやMSXファンの掲載ゲームデータのDLなどなど、80年代PCゲームファンは感涙しそうな内容目白押しなので、夜中に閲覧の際は睡眠不足に注意である、OVER。

関連サイト
○コナミオンライン(「メタルギア」、「メタルギア2 ソリッドスネイク」の携帯アプリを配信中) 
http://www.konamionline.jp/


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コメント 3

MiLD_GiNGER

はじめまして!
ボクはMSXで「スナッチャー」と「SDスナッチャー」両方やりました。
SDの方はいまいち内容を覚えていないんで件のHP見てみます
なんか懐かしいです
「スナッチャー」は今まで数々のゲームをやってきましたが
その中でもベスト5に入るくらい好きなゲームでした
あのサイバーパンクな世界がなんとも好きでした
なんかやりたくなってきたなぁ

貴重な情報をありがとうです^^
by MiLD_GiNGER (2005-02-12 09:24) 

自分も「SDスナッチャー」未経験組です。
サイトのレビュー見ると以外と面白そうなんですけど・・・。

でもSD化する意義ってどこにあったんですかね?
やっぱり技術的なところが絡んでるんでしょうか?
そういやメガドラで「SDヴァリス」なんてのもありましたね、関係ないケド・・・。
でもこっちは、ヘタな移植作よか全然面白かった気がします。
皮肉なモンです。
by (2005-02-12 10:57) 

loderun

>>MiLD_GiNGERさん
こちらこそ、はじめまして。
本編もSDスナッチャーもMSXでプレイされたとは心強い。他の小島秀夫作品はお好きですか?本文にも書きましたが、「スナッチャー」はPS版で発売されています。中古屋に行けば手に入ると思いますよ。「ジャンカー」だったあの頃の自分を思い出す為にも、是非プレイしてみてはどうでしょう?
関係ないですがプロフィール画像の「グリーンちゃん」いいですね。僕もすっかりSEEDに毒されてしまいました(笑)

>>ののおさん
「SD」については小島監督をはじめ製作者がどのようなアナウンスをしているかが気になります。元々の重厚なストーリーがSD化にマッチしていないことは明らかですから。技術的な問題よりも、営業上の理由(対象年齢を広げる為)を僕は勘ぐってしまいます。その証拠は「SD」が、「スナッチャー」のシナリオを反復している点に見て取れます。
文中では便宜的に「続編」という表現をしましたが、レビューサイトをごらんの通り、「SD」はむしろ「スナッチャー」をリファインした作品である印象が強いのです。この辺りは当時の雑誌を紐解けば、判るかもしれません。
あと僕はヴァリスはMSX版しかプレイしたことないですね。「これぞメガロム!」とばかりにムダに広いフィールドを走り回ってた記憶しかなかったり。
by loderun (2005-02-13 14:12) 

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