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「ATARI 10in1 テレビゲームズ」レビュー [レトロゲーム]

本日のお題は大手ゲームニュースサイトGAME Watchより。
電子系トイを幅広くレビューする連載コラム、「気になるe-Toy遊んでレポート」からだ。
最初に断っておくけど、低年齢層は切り捨てちゃってる話ですよ(笑)

気になるe-Toy遊んでレポート アタリの名作ゲームを10本まとめて遊べるアイテム!「ATARI 10in1 テレビゲームズ」
(from GAME Watch)

ああ、これ持ってますよ。1年ほど前に輸入ゲームショップから購入。レビュアーは「トイざらす」で買ったって言ってるけど、基本的に一般の玩具屋では扱ってないと思う。

「ファミコン以前」の家庭用ビデオゲームの代表格(という表現では失礼か)であるATARI VCS (Video Computer System)。記事中で「一夜にしてブームは収束」、「世紀の大失敗」などと散々な表現で紹介されているのも道理で、我が国ではアメリカの家庭用ゲーム市場が崩壊した82年の所謂「アタリショック」の事例のみが広く知られている感がある。しかしこれは実態と異なり、最近ではATARIを再評価しようとする動きがあるのだが。この件についてはいずれ語りたい所。

話を戻して、この商品はVCS(日本名:アタリ2800)の初期タイトルをプラグ・アンド・プレイゲームとして復刻したものだ。オリジナルは発売が1977年(!)、解像度160×192ドット、16色表示、サウンド3音、実に30年近く前のゲームマシンである。日本人がゲームウォッチに熱狂していた頃に、アメリカでは既にカセット式テレビゲームとして大ヒットし、なんと全世界で1500万台もの販売台数を記録したという。
伝説のモンスターマシン、それがATARI VCSだ。

「ATARI 10in1 テレビゲームズ」を、僕はベートーベンやモーツァルトのようにいわば「ゲームのクラッシック」を楽しむ目的で入手した。現在のゲームをグラフィックソフトで作成された精密画とすると、見ての通りこれらのゲームは原始の穴居人が描いた洞窟壁画ほどの差がある。とても「隔世の感」などという一言では言い表せない。

しかし、ビデオゲーム史を紐解いていると、アタリに行き着くことが非常に多い。VCS以前に商業的な成功を収めた初めてのビデオゲーム「ポン」、スプライト技術の確立、「スターウォーズ」を金字塔とするベクタースキャン方式のゲームたち、MSXや8bitコンソールに馴染みが深い9ピンのアタリ形式コントローラーの普及。アップルの創設者、ジョブズとウォズの「二人のスティーブ」もアタリに縁がある(『ブレイクアウト』のハードウェアを設計した逸話はあまりに有名)。
まるで「すべてがアタリになる」と思えてしまうほどだ。

そういう訳で、収録されているゲームを僕は非常に楽しむことが出来た。
ミサイルコマンド(日本名:ミサイル総司令部)』をプレイして「ああ、このゲームの進化系がSDIなんだな」と改めて思ったり、『ヤーズ・リベンジ(日本名:ヤーの復讐)』の独創的なシステムに唸ったりした。

特に初めてプレイした『アドベンチャー』には本当に驚いた。なんとこれが、世界初のアクションアドベンチャーゲームなのだ。暗闇の中で自分の操作キャラクターの周りだけが照らし出される「スポット処理」、フィールド自動生成機能(!)。チープな単色スプライトでも損なわれない魅力に満ち溢れていた。

前述の通り、これらのゲームはVCS初期のタイトルであり、「寂しいゲーム画面」であることは否めない。しかし、プログラミング技術の進歩と共に、VCSのゲームもハードウェア性能を変えることなく劇的に進化して行く。
例えば、後にSG-1000やMSXにも移植された『 ピットフォール2』のオリジナル画面を見て欲しい。プログラマーの力量次第では豊かな表現力を発揮する、VCSは数字上の「仕様」を越えた素晴らしいハードだったのだ。
結果として、アメリカで家庭用ゲーム機のシェアがNES(ファミコン)に席捲されて以降も、VCSは細々とながら新作ソフトがリリースされ続ける未曾有の「長寿ハード」となったのだ。これだけでも、巷の「アタリショック観」と矛盾する話だと言える。

それにしても、16bit機が既に主流となっていた90年になってもアメリカではVCSのソフトがリリースされていたと言う事実はさすがに驚く。他のレトロゲームの事情もそうだが、欧米人は本当にゲームを大事にするんだな、と考えてしまう。

ところで記事にある通り海外では、プラグ・アンド・プレイの復刻レトロゲームが多数リリースされている。ご存知無い方は、製造元として紹介されているJAKKS Pacificや、アメリカのamazon.comの「Plug & Play Games」カテゴリーを参照のこと。
「ミス・パックマン」は絶対買おう、買おうと思いつつ未だに入手してない。

○VCSゲームのスクリーンショットは下記サイトにリンクさせてもらった。
ATARI AGE
http://www.atariage.com

(2005/2/15 19:30 記事修正)


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