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「STGは衰退しました」問題、あるいは90年以降のアーケードSTGを思い出してみた感じの夏の日 [日記・雑感]

高橋名人「シューティングが廃れたのは、弾幕系のせい。二度とあのようなゲームは作らないで」 (はちま起稿)
何故シューティングはよく「廃れる」とか言われるのだろう (あたっく系)
STG が廃れたのは弾幕系に引いたユーザの受け皿を作ってこなかったからだろうがヴォケ!! (Diary of Dary)
シューティングは大往生したなどと誰が決めたのか (当たり判定ゼロ)

■なんだかここ最近、WEB上でちょっと話題になっていた感じの「STGは衰退しました(orしてません)」問題。
きっかけは、09年の高橋名人の発言なんだけど(何故今さら?)、せっかくの機会なので僕も個人的に思いついたことを色々書いてみます。

■最初に断っておきますが、今回のエントリーの半分は主観でできています。
あと、「そもそもSTGの起源は、1962年にMITのスティーブ・ラッセルがPDP-1で開発した『スペースウォー』で~」 などという、堅苦しい話も無しの方向で(笑)
以下、特に断りがなければSTGとは「トップビュー」あるいは「サイドビュー」な、いわゆる2D形式のSTGを指します。

giga_tokyo_toybox.jpg

■んで、「STGは衰退したのか否か」という話なんだけど、これはもう間違いなくかつての権勢を失っているわけで、80年代のアーケードを知っている人は現在の状況を寂しく感じているんだろうなあ。
やっぱり、ゲームジャンルの繁栄というか「豊饒さ」って、優れたタイトルだけでなく凡作、珍作、意欲作も新たにリリースされているような状況だと個人的に強く思うのです。
敢えて名前を挙げるけど、『飛鳥&飛鳥』とか『Dr.トッペル探検隊』とか『メガブラスト』とか、いったいなんだったんだ!全部タイトー販売なのは偶然なのかっ!?(←知らねえよ!)

「対戦格闘ゲームの隆盛がSTGの地位を奪った」、「弾幕系が登場したおかげでSTGは新たな市場を開拓した」という説明は総論としては非常にわかりやすいんだけど、ちょっと単純すぎる話ではないかなとも思う。
具体的には、彩京STGの存在が無視されてるっぽい印象。
少なくとも90年代後半~00年頃までは弾幕系と平行する形で、彩京STGはアーケードによく設置されていた。そして人気があった。
確かに、初見殺しの高速弾(いわゆる彩京弾)には賛否の声はあるのだけど、『戦国エース』に『ガンバード』、『ストライカーズ』シリーズなど総じて初心者にも親しみやすい良作だった。
以前に「ゲームセンターに明日はあるの?」さんも指摘されているように、彩京STGは非マニア層の受け皿になっていた側面がある。
つまりSTGが衰退した理由の一つは、彩京が解散したからなんだよ!(笑)

■ところで90年代のセガって、発売タイトル数に比してSTGが少ない印象。
しかも『コットン』、『サンダーフォースAC』、『紫炎龍』、『シルバーガン』と他社開発ばかり。
例外なのは『ずんずん教の野望』で、「セガ・アーケード・ヒストリー」によれば港技研の単体ではなくAM1研も関与されているとのこと。まあ『ずんずん教』って、控えめに言ってちょっと異質なSTGなんだけど(笑)
いずれにしても、純粋な内製STGが存在しないということは間違いなさそう。
当時のセガは、お家芸とも言える大型筐体の3Dシューティングやガンシューティングに注力していたからなあ。つうか『レールチェイス』を久しぶりに遊びたいです。

ikaruga.jpg
*注 写真と本文は一切関係ありません

■アーケードのもう一方の雄であるナムコ。やっぱり少ない。
90年代のナムコって、『F/A』以降は94年の『ネビュラスレイ』と96年の『ゼビウス3D/G』ぐらいしか新作STG出てないのではないだろうか?
そう考えると、タイトーは頑張ってたよね。『メタルブラック』、『ダライアス外伝』、『Gダライアス』、『レイフォース』、『レイストーム』・・・。先ほど『メガブラスト』をバカにしてごめんなさい(笑)
というわけでSTGが衰退した(ように感じる)理由その二。セガとナムコがSTGを作らなくなったから。

■もちろん他にもコナミとかアイレムとかカプコンとかADKとかライジングとかセイブとかNMKとか色々書きたいところなんだけど、最終的に00年代初頭の時点でアーケードにSTGを精力的にリリースしているのはケイブだけって状況になっちゃったんだよな。
ただ、この頃は対戦格闘ゲームも以前のような勢いを失っていたわけで、どちらかというと『beatmania』や『Dance Dance Revolution』といった音楽ゲームが盛り上がっていた時機に相当するのではないだろうか。
STGが衰退した理由その三。音ゲーが止めを刺した、のか?

■こうやって思い出してみると、格闘ゲームのブームと言われる90年代でも新作STGはそれなりにリリースされていた
ただし実際の開発は、大手ではなく専ら中小メーカーが担当していた。
そして、この時機のビデオゲームの特筆すべき点として、従来のスプライトではなく新たに3Dポリゴンのグラフィック表現が発達した。これは資本力に乏しいメーカーの負担になった。

■以上を踏まえて、ちょっと「卵が先か、鶏が先か」的な話になるのだけど、「STGが衰退したから新作を発売するメーカーが無くなった」のか、それとも「メーカーが無くなったからSTGは衰退した」のかで、全然意味は違う。
90年代後半~00年頃のAM業界は、開発費の高騰によるメーカーの撤退や破綻、事業縮小が相次いだ。私見ですが、かつてのアーケードゲームの裾野を支えていたメーカーたちが無くなってしまったため、結果的にSTGというジャンルの「豊饒さ」は失われてしまったのではないか、と僕は考えているのです。

デコは死んだ、カネコは去った、神も悪魔も降立たぬ荒野に我々はいる。

全然関係ないけど、ビスコは未だにゲーム会社として存続しているようでビックリです(笑)


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コメント 5

NO NAME

かわいそうなネビュラスレイ・・・
by NO NAME (2010-08-30 06:18) 

loderun

ありがとうございました!早速追記します。
by loderun (2010-08-30 06:36) 

ルナレスキュー

1942と飛翔鮫とVULGUSは今でもお気に入りのSTGです。
by ルナレスキュー (2010-09-06 02:43) 

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NO NAME

80年代は主にファミコン、MSXが家庭用として業務用の移植先だったから
完全移植というより、再現度がどれだけあるか、また上手なアレンジによる別ヴァージョンといった方向で業務用、家庭用が両立していた気がします。
ゲーセンに行けば「やっぱり、本物は違う。」と思ったものです。
by NO NAME (2010-09-12 16:11) 

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