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Chips(小ネタ) 前途への道標 ― PC低価格競争についての一考察 [PC・ハードウェア]

デスクトップPC 低価格競争が再び激化!? 「Mac mini」が火付け役に
(from BCN)

以前に書いた「低価格PCが続々と登場する現状」の続きということで。
ローエンドでもデスクトップ買うなら20万円、ノートだと最低でも30万円は必要だったのも今は昔だね(遠い目)。

さて、記事の中では2月2週からの単価8万円未満のデスクトップPCの販売台数シェアの一覧があげられてる。ざっと眺めると上位4番までeMachinesが並び、先日発売されてばかりのAppleのMac miniやNECのValueOneもランクイン。う~ん、でもこれはあくまで「PC本体価格」でのランキングであり、DELLやHPといったメーカー直販によるディスプレイとのセットモデルが考慮されていないよな。正確な数字とは明らかに異なるんじゃないかと思える。

現在のPCの低価格化を押し進めている背景には、ハードウェア性能の進歩が最近頭打ち気味であり、製造コストがかつてないほど低下している状況がある。この低価格化の流れはデスクトップに留まらず、ノートPCでもソニーが「10万円を切るVAIO」を発表するなどPC全体で下落傾向が顕著だ。

BCNの記事では「Mac miniが低価格化の火付け役」との表現があるが、そんなことは無い。この分野のパイオニアであるソーテック以外にも、少なくとも半年以上前からDELLやHPは積極的に低価格モデルを市場に投入している。そもそも、Mac miniの「価格破壊」を支えているのは、

「モニタ、キーボード、マウスはWindows用を使用できます」→「という訳で周辺機器は自分で用意してね」

という「お代は本体分のみ」の仕様が一因にあることは否定できないだろう。しかもMac miniのCPU、メモリ、HD容量等のスペックを冷静に見てみると、同等レベルのWindows PCと比べてもせいぜい「価格相応」という程度であり、著しく割安感があるわけではない。快適に使用するならメモリの増設は必須だとの話を聞くし。確かに、従来のApple製品からすれば非常に安価かもしれないが、最近のPC市場全体を俯瞰するとむしろMac miniもWindows PC陣営の低価格化の影響を受けた商品だと思える。(ただし、洗練されたデザインと、Windows用機器を使用できるという「門戸開放」なコンセプトは高く評価する)

さて、PCの用途は近年多様化しており、もっと言えばズバリ一家に複数台のPCがあるのがすっかり普通の状態になっている。僕自身も現在のメインマシンはamazonの15%還元キャンペーンにつられて購入したHPのビジネスノートnx5000だが、その他にWindows98をインストした自作デスクトップを所有している。XPじゃ動かないゲームがあるんですよ(笑)

しかし、現在メーカーががんばって売ろうとしている「TVモデル」やら「マルチメディアPC」といった20万円以上もするようなハイエンドモデルがユーザーの需要に合致しているかというと、記事中の「平均単価別構成比」の円グラフから推して知るべしである。依然として主要目的はWindowsベースでインターネットやメール、ちょっとゲームやビジネスソフトを扱えればいいや、という程度のユーザーが多いのである。これなら、CPUはCeleronDにビデオチップもオンボードで問題無し。もっと言えば「2、3年前の最新機種」でもほとんど困らないくらいだし。
それでも、メーカーが利幅の薄い低価格PCをリリースする背景には、「儲からないけど何も売れないよりはマシ」という半ばあきらめの状況に陥っているように見える。ユーザーとしては安価な商品を手に入れることができるのは嬉しい限りだが、メーカー側にとってはかなりヤバい状況だよね。
実はPCのみならず、デジタル家電全体でも収益が悪化しているとの指摘がある。
デジタル景気、失速鮮明に 大手電機、下方修正相次ぐ
(from asahi.com)
「飽和に近い市場での価格競争」というPCの状況とは異なり、薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタル家電については人気は高いもののメーカーの製品・部品在庫の増加が価格下落の主要原因との論評だが、さてどうなることやら…。

ところで、記事の最後のほうにピピン@アットマークが触れられていて、ちょっとウケた。ああ、そういえばそんなのもあったね(笑)。でも、ピピンは時代が早過ぎたと捉えるべきかな?やってることはMac miniと基本的に変わらないし。

という訳で当時の記事を発掘してみた。98年のPC Watchより。
バンダイ、ピピンから撤退。BDE清算
はは、『たまごっちシリーズの好調で経常利益は上方修正』か。そういえば、そんな頃だったね(笑)この後、バンダイはたまごっちの過剰在庫を抱えて大変なことになってしまうのだが、それはまた別の物語である(叙事詩風)。


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