とてつもない海外レトロゲーム本 「CLASSIC 80S HOME VIDEO GAMES」 [レビュー]
米Amazonより洋書「CLASSIC 80S HOME VIDEO GAMES」が到着しました。この3月に発売されたばかりの新刊です。
80年代に活躍した家庭用ゲーム機 ― アタリVCS、5200、7800、コレコビジョン、オデッセイ2、インテリビジョン、ベクトレックス(光速船)の本体、ソフト、周辺機器を紹介。
今尚、コレクターの間で人気の衰えぬ海外レトロゲームのバイヤーズガイドとして編纂されたものです。
本書は全ページフルカラー。上記のプラットフォームに関して、アメリカ合衆国内で発売されたほぼ全てのゲームソフトのパッケージとカートリッジ写真を収録(!)。また、「本体のみ」、「説明書のみ」、「箱付き完品」といった状態ごとの詳細な中古取引価格が記載されてます。
巻末にはメーカーカタログ、ゲーム雑誌、グッズ関係のデータもあり。
単にコレクター向けのプライスガイドというだけなら、あちらの国では毎年必ず出版されてます。またレトロゲームのデータベースにしても、現在では優れた海外のWEBサイトが存在します。
しかし、これほどの写真点数と情報量を一冊に収めた書籍を、僕は寡聞にして知りません。
―――そうです、この「CLASSIC 80S HOME VIDEO GAMES」は、一級の海外レトロゲーム資料本として読むことができるのです。
ただし、本書には実際のゲーム画面の写真は全く載っていません。メーカーや作品に関する説明もごくわずかです。(もちろん、本文はすべて英語)
海外レトロゲームの知識が全く無い人にとっては、非常に敷居が高いかもしれません。
それでも尚、レトロゲームに興味がある全ての人に対して、この「CLASSIC 80S HOME VIDEO GAMES」は間違いなく“買い”であると断言します。
まずは、本書に収められている膨大な数のパッケージ写真を眺めてみて下さい。日本でファミコンがブレイクする以前、海の向こうのアメリカでこれほど多種多様な家庭用ゲームが発売されていたという事実に圧倒されるはずです。
そして、興味を持ったメーカーや作品がありましたら、是非ともAtariAgeやMobyGamesといった海外データベース、あるいは英語版Wikipediaを検索してみましょう。
そもそも我が国では、海外レトロゲーム機を体系的に取り上げた書籍というものは全くと言ってよいほど存在しません。(せいぜい、ゾルゲ市蔵氏の『謎のゲーム魔境』くらいでしょうか?)
「VCSやコレコビジョンのゲームなんて知るわけないよ!」という反応の方が正常なんです(笑)。
本書を通じて、単に「粗製濫造」だとか「商業的失敗」だとかの一言では片付けることのできない、深遠な海外レトロゲーム文化を感じてもらえれば僕としては本望ですね。
(Amazonリンク)
Classic 80s Home Video Games: Identification & Value Guide
- 作者: Robert P. Wicker
- 出版社/メーカー: Collector Books
- 発売日: 2008/03/18
- メディア: ペーパーバック
つうか、普段から当blogを読まれていて、「VCSの発売は1977年」、「VCSの正式名称はVideo Computer System」といったムダ知識を最近すっかり身につけてしまった感じの皆様方は絶対に手に入れるべきです。
オレを信じて、買え!買うんだ!(笑)
(関連記事)
○【洋書レビュー】 The Encyclopedia of Game Machines
○写真で見る家庭用ビデオゲーム40年史
タグ:ゲーム
はじめまして、Vectrex関係で色々やってる人です。
コレ買おうかどうかずっと悩んでましたがレビュー見て踏ん切りついたのでリンク踏みましたw
by okaz (2008-05-02 00:50)
はじめまして。煩悩倶楽部さんでよろしかったでしょうか?(笑)
Vectrexについては、箱、カートリッジに加えてオーバーレイの写真がカラーで収められています。光速船を紹介した書籍は、日本では『謎のゲーム魔境』くらいしか例がないため参考になりますね。
関係無いですが、ゾルゲ氏がBerzerkとRobotronを間違えていた件は、もう許してあげましょう(笑)
by loderun (2008-05-02 09:40)