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「バンゲリング帝国」が登場する第四のゲーム [レトロゲーム]

“バンゲリング帝国三部作は、『バンゲリングベイ』『ロードランナー』『チョップリフター』の世界観を共有する3作品を指す。”
バンゲリング帝国三部作 - Wikipedia

 日本語版Wikipediaに存在する「バンゲリング帝国三部作」との記事については、以前に当blogで批判したことがあります。
幻想のバンゲリング帝国

 確かに、1980年代前半にブローダーバンドが発売した『チョップリフター』『ロードランナー』および『バンゲリングベイ』には、ストーリー上の共通の敵として「バンゲリング帝国」が登場します。
 しかし、当のブローダーバンド自身がこれらを「三部作(Trilogy)」と過去に表明した事実があるとは寡聞にして知りません。そして、これらの作品におけるバンゲリング帝国は名前以外の共通点を見いだすことができず、「世界観を共有する」などと断定することはできません。
 端的に言うと、「バンゲリング帝国三部作」は出所不明な俗称であり、そしてWikipediaの記載内容は単なる誤謬の固まりに過ぎないのです。

 以上の理由から、僕はこの「バンゲリング帝国三部作」はWikipediaの編集方針にそぐわない独自研究であり、記事そのものを削除するべきだと考えていました。
 しかし本稿では、全く別方向の理由から「バンゲリング帝国三部作」を改訂する必要があることを新たに指摘させていただこうと思います。

 実は、バンゲリング帝国が登場するブローダーバンドのゲームは上記三作品以外にも存在します。それは、1982年に発売された『スターブレーザー』です。





 『スターブレーザー』はApple II対応ソフト。作者は日本人のゲームプログラマーとして海外にも名を馳せたトニー鈴木氏です。
 内容としては、ミッションクリア型の横スクロールSTGです。プレイヤーは対空および対地攻撃が可能な戦闘機を操作し、レーダーサイトや戦車といった攻撃目標を破壊することが目的となります。


star_blazer_01.png
Star Blazer Covers (MobyGames)
 そして上に引用した画像は『スターブレーザー』のパッケージ裏のストーリー文です。見ての通り、敵として「バンゲリング帝国」の名が記されていることがわかります。

 実は僕個人は、『スターブレーザー』を以前より知っていました。なぜなら、1985年にソニーがMSX対応ソフトとして本作を移植していたからです。*1


star_blazer_02.png
 ただしこのソニーの移植版は、許諾元がブローダーバンドではなくトニー鈴木氏の所属するスタークラフトへと変更されたためか、バンゲリング帝国の名は存在しません。ストーリー文において、敵は「某軍事大国」との表現にとどまっています。

 我が国において、『スターブレーザー』にバンゲリング帝国が登場することは見逃されてきました。本作は家庭用ゲーム機で発売されておらず、(おそらく)唯一の国内移植例と呼べるソニー版はストーリー文が改変されていたからです。
 しかし、ここにバンゲリング帝国が登場する第四の作品が明らかになった以上、もはや「バンゲリング帝国三部作」との呼称が不適切であることに疑いの余地はありません

 Wikipediaに編集アカウント持つ全ての人に問います。
 「バンゲリング帝国三部作」は独自研究であることを理由に記事を削除するべきですか?それともタイトルを「バンゲリング帝国四部作」に改訂し、『スターブレーザー』の記述を追加するべきですか?*2


*1 ソニーはHiTBiTブランドの下、MSXの他にSMC-777にも『スターブレーザー』を移植している。
*2 そもそもの話として、バンゲリング帝国が登場する作品をカウントするのなら、『チャンピオンシップロードランナー』を除外しているのは恣意的ではないだろうか。『スターブレーザー』と『チャンピオンシップ~』を加えて、「バンゲリング帝国五部作」と呼ぶべきであろう。


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