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「セガブランド」初の家庭用ビデオゲーム [レトロゲーム]

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セガ設立60周年特設サイト

 セガ公式の設立60周年特設サイトが公開されました。
 現在のセガの前身となったのが、1960年に設立された業務用娯楽機器の販売会社である日本娯楽物産。厳密にはその源流として、ジュークボックスの輸入・レンタルを業としたサービスゲームズジャパンが存在しますが、半世紀以上にわたってアミューズメント産業の一端を担い続けてきたことに改めて敬意を表します。

 ところでセガの事業の看板の一つである家庭用ビデオゲームについては、2001年のドリームキャスト撤退と共にプラットフォームホルダーの立場からは身を引いたものの、現在でも精力的に新作ソフトがリリースされています。
 そんな同社の家庭用ゲームですが、その嚆矢は1983年7月に発売されたSG-1000と対応ソフトたち――というのが我が国での一般的な認識かと思います。
 しかし海の向こうのアメリカでは、それに先立つ1983年3月に「セガブランド」の家庭用ゲームが誕生していました。それは、米国セガ社が発売したVCS(Atari 2600)対応ソフトの『サブスキャン』『タックスキャン』です。

 1969年から1983年までのセガは、複合企業体であるガルフ・アンド・ウエスタン・インダストリーズの傘下として、日本法人と米国法人が存在しました。両社は共にセガ・エンタープライゼスの社名を名乗っていたものの、形式的には日本のセガは米国セガの子会社となります。
 折しも1981年から1982年のアメリカの家庭用ゲーム市場は、アタリVCSの普及を契機に急成長を遂げていました。当然、米国セガはこの機会を見逃すわけにはいきません。かくして生み出されたのが、先に名を挙げた2作品であったわけです。



○『サブスキャン』
 セガが1979年に発売したアーケードゲームである『ディープスキャン』の移植。*1
 水面に浮かぶ駆逐艦から爆雷を投下し、敵の潜水艦を撃沈するオールドファッションな対潜ゲームです。ただしゲームルールは元作品から変更されており、①敵潜水艦からの攻撃は無い、②10隻の潜水艦を逃すとゲームオーバーになります。



○『タックスキャン』
 同名アーケードゲームの移植。元作品はベクタースキャン方式のディスプレイ上で動作し、見下ろし視点と後方視点がダイナミックに切り替わるスクロールSTGでした。VCS版は見下ろし視点ステージのみにスケールダウンしていることに加えて、ベクタースキャンの「クールさ」が失われており、苦しい内容になっています。


 その後も米国セガは『コンゴボンゴ』『バックロジャース:プラネット・オブ・ズーム』などの自社アーケード作品を移植。1983年末までに計6本のVCSソフトがリリースされています。

 しかし時を同じくして、米国セガに大きな転機が訪れます。ガルフ・アンド・ウエスタン・インダストリーズの経営者の交代に伴い、傘下企業の不採算・低収益事業の整理が行われることとなりました。
 他社との競争、業務用市場の縮小などの理由から低迷していた米国セガのアーケードビデオゲーム部門*2は、当時(ビデオとピンボールを併せた)アーケードゲームの製造販売において業界首位の地位にあったバリー・ミッドウェイ社に1983年8月に売却されます。これに付随する形で、米国セガのVCSソフトは引き続き同社が販売業務を担当するとともに、バリー・ミッドウェイ作品の移植も手掛けることになります。

 1984年、米国セガは新たなVCSソフトとして『スパイハンター』『タッパー』『アップンダウン』の3本を発売。しかし、VCS自体が旧式化していたことに加えて、1983年以降のアメリカはいわゆる「アタリショック」と呼ばれる家庭用ビデオゲーム市場の崩壊に直面していました。逆風吹き荒れる中で、同社のVCSソフトが期待通りの売上を達成していたとは到底思えません。*3
 米国セガはVCSの他にもAtari 5200、コレコビジョンなどの家庭用ゲーム機、Atari 8bit PC、Commodore 64などのホームコンピュータにソフトの供給を行いましたが、最終的に上記の3作品を以て撤退。米国セガに由来する家庭用ビデオゲーム事業はここで一旦整理されてしまいます。*4

 一方、1984年4月に大川功氏率いるCSKに買収された日本のセガは、改めて1986年にアメリカの現地法人となるセガ・オブ・アメリカを設立。任天堂のNES(海外仕様ファミコン)が支配する家庭用市場へ立ち向かうことになるわけですが、それはまた別のお話となります。


*1 さらに遡ると、『ディープスキャン』はグレムリンが1977年に発売したアーケードゲームである『デプスチャージ』のリメイクである。
*2 旧グレムリン社の業務を継承した米国子会社のセガ・エレクトロニクス社
*3 現に「バリー・ミッドウェイ」ブランドで発売されたこれらの3作品は現在の中古市場でも流通量が少なく、レアソフトに分類されている
*4 米国セガの家庭用事業が整理された正確な時期は不明だが、おそらく1985年上旬。
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