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PCエンジン版「ストリートファイター」が「ファイティング・ストリート」に改題された理由 [レトロゲーム]

Colorful Pieces of Game ゲームの色彩 - 岩崎啓眞の個人blog

フリーゲームデザイナー/ライターの岩崎啓眞さんのblogが面白い。
実を言うと岩崎さんのことはblogを読むまで存じ上げなかったのですが、Beepや電撃PCエンジンでライターを務められたり、「イースI・II」をはじめ数多くのゲーム開発に関わられていたり、PCエンジン版「ときめきメモリアル」発売時の雑誌レビューで95点の高スコアを付けられた方だと聞いて驚きました。
むむ、確かに僕はBeepを買っていなかった & PCエンジンを持っていなかったとはいえ、これは不勉強でした。

話を戻して岩崎さんのblogについてですが、5月4日のエントリーでは88年に発売されたハドソン作品の思い出話を読むことができます。

1988年 - ハドソンで作られていたゲームについて
奥野さんという人は、どういうわけか作りたくない物を作らされる人で、パワーリーグの前はあのファザナドゥを作り、ファルコムを怒らせた。
本人は「だって俺、ザナドゥ嫌いなのに作れって言われたんだもん」って言っていた。

うわー、ファミコンの「ファザナドゥ」を作られた方は、「ザナドゥ」が嫌いだったのか(笑)。
でも、こういう生々しい話はレトロゲームのファンとしては大歓迎。今後とも期待させて頂きます。

ところで、このエントリーを読んでいて個人的に「おっ?」と気になったのが次の部分です。

ファイティング・ストリート
ストリートファイター1の移植作品。
ストリートファイターではなく、ファイティング・ストリートになったのは、当時商標に理由があったはずなんだけどSFC版ではストリートファイターIIになっていたので、カプコンが商標を買い取ったか、そのあたりなんだろう。

あ、確かにPCエンジンでは「ファイティング・ストリート」にタイトル名が変更されていましたね。
というわけで、実際にストリートファイターの商標権に問題があったのかどうか、特許電子図書館で確認してみました。



street_fighter.jpg

これは見事にアウト(笑)

登録番号第1585715号、出願日昭和54年(1979)10月8日の「STREET FIGHTER 」商標。出願人はアメリカの企業のようです。
指定商品はおもちゃ類となってますが、以前の商標法では「家庭用ビデオゲーム」もこの区分に含まれていました。

79年当時、「STREET FIGHTER」という商品が実際に存在したのかはわかりません。ただ、PCエンジンはおろかファミコンすら影も形も無かった頃に出願された商標が、後に問題となってしまうのが知的財産権の怖いところです。
ちなみにこの「STREET FIGHTER」商標、現在の権利者はカプコンになってますのでご安心を。

(関連記事)
『グラディウス』はナムコの登録商標だった?
「ファミコン」商標は誰のものか?
「メガンテ」はスクウェア・エニックスの登録商標です

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スーパーストリートファイターIV(通常版)

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  • 出版社/メーカー: カプコン
  • メディア: Video Game

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zentaroh

モンスターランド→モンスターワールドや
ロストワールド→フォーゴットンワールドなど
アーケードからの移植で解題というパターンが多いですね。
アーケードとコンシューマーじゃ商標の区分が違うと聞きましたが
by zentaroh (2010-05-17 11:11) 

loderun

モンスターランドついては、さっそく特許電子図書館を調べてみましたが該当する商標を見つけることができませんでした。
あくまで主となる商品名は「ワンダーボーイ」ですので、単に営業上の理由で改題されたのかもしれません。(もちろん日本国外で既に商標登録されていた可能性もありますが)

あと仰るとおり、業務用ゲームと家庭用ゲームは以前は別区分でした。ただし現在では、国際分類に基づいて商標法が改正されたため、業務用も家庭用も同じ第9類に属します。
by loderun (2010-05-17 22:04) 

zentaroh

今までずっとスパカセの「ワイワイモンスターランド」の商標に引っかかるから改題したのかと思ってました。
by zentaroh (2010-05-21 12:05) 

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