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『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の難易度は限界値? [レビュー]

岩谷 話は変わりますが、宮本さんのたずさわったタイトルで、私がいちばん好きなゲームは、スーパーファミコン版『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』ですね。アクションと学習要素の関与のバランス、そして要求されるテクニックのレベルと難易度の調整のセンス、謎解きの質と量のバランス感など、本当に素晴らしい完成度ですね。あれ以上の謎解きやテクニックを要求されると、誰もついてこないと思いますし、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』こそ、一般的なプレイレベルでつくられた難易度の見本になるようなタイトルだと思います。
宮本 (間髪入れずに) 限界値ですよね。
岩谷 ですね。
宮本 『ゼルダ』シリーズに限ったことではないですが、難易度調整には非常に気をつかっています。でも、いまだに「難しい」という人がいるのも事実です。だからいつも「今度はもう少し易しくしよう」ということで開発がはじまります。やっぱり制作者って、いり込みすぎるものなので、不安になるものです。モノを探す遊びと同じで、隠す方は「これじゃ、ばれるんじゃないか?」と思うものです。(中略)
けれど、ある程度わかりやすい場所に置いた方が、探し当てたときの達成感が得られるのも事実です。若手のスタッフは、より難しい方に隠したがります。しかし、そんなときは、「いまの難易度を半年経った違う仕事をしている自分を想定して考えてみなさい」といいます。

(出典) 『パックマンのゲーム学入門』 岩谷徹 エンターブレイン (05年)


『パックマン』の作者の岩谷徹氏が、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』のファンであると公言している事実は、ナムコウォッチャー(って誰だよ?)の間では有名な話です。そんな岩谷氏が、任天堂の宮本茂氏との対談の席で実際に『神トラ』を話題に出されたことがあります。*
僕が非常に面白いと思ったのは、岩谷氏が「『神々のトライフォース』以上の謎解きやテクニックを要求されると、誰もついてこない」と評し、即座に宮本氏も「限界値ですよね」と同意されている点です。

ここで唐突に、僕の『神々のトライフォース』に関する思い出話を。
実は僕が『神トラ』をプレイしたのは、比較的最近になってからでした。要するに、03年に発売されたGBA版が初めてだったからなんですが。
んで、順調に一つ目の神殿を攻略した僕がつまずいたのがこれ↓


zelda.jpg
カカリコ村図書館の、本棚の上にある本

砂漠の神殿への道を開くには、この「ムドラの書」を手に入れなければなりません。しかし、僕にはどうしてもその方法がわかりませんでした。
ずばり正解を書くと、「ダッシュで本棚にぶつかる」ことで入手できるんですが、自力で解決しようと思っていた僕は、1年近くもこの箇所で足止めされてしまうことになります。(結局、根を上げてネットの攻略情報に頼ってしまいました)

反則だろ、この謎解きは!(笑)


・・・などと個人的な愚痴はさておき、実際のところ『神々のトライフォース』の難易度って、今の感覚からするとかなり高いんじゃないかとGBA版をプレイした僕は思いました。特に後半のステージは、攻略本必須としか思えないような謎解きが目白押しですからね。
そんなわけで、SFCに『神トラ』が発売された1991年から比べると、明らかに現在のゲームって親切になってしまっているんじゃないかなぁ?というのが僕の偽らざる感想なんです。

皆さんは、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の難易度を限界値だと思いますか?


(関連記事)
クリアできなかったレトロゲームの思い出
ゲームの難易度って、どうやって調整しているの? (from R25.jp)

【脚注】
* 『パックマンのゲーム学入門』の出版は05年だが、この対談が行われたのは『パックマン VS.』でナムコと任天堂が協力した03年頃だと思われる。


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ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣

ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣

  • 出版社/メーカー: 任天堂
  • メディア: Video Game


(08/9/18) インタビューの引用部分、および『神トラ』の発売年に誤りがあったので訂正
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M_t

どうも。
ゲームの難易度の調整って難しそうですね。
宮本氏と堀井雄二氏の対談が書かれてある。虹色ディップスイッチ(1990年5月出版)の中で、堀井氏との難易度調整についてのやりとりを・・・

宮 「うちの場合ゲームが完成した時点で、つねに20%下げるのが目標です。」

堀 「あらかじめそうやって決めてるんですか?」

宮 「そうですね、予定していたところから必ず20%引いて出すといっても具体的には基準がハッキリしないですけど(笑)。アクションゲームの場合だと最初にまず2面を作るんですよ。1面目ってのは全部作り終わってから作るんです。」
という会話が載ってました。
(時代的には堀井氏のドラクエIVが制作中で、宮本氏のゼルダの伝説 神々のトライフォースが制作し始めたところだと思われます。)

やっぱりどんな偉大なデザイナーでも、難易度調整って気をつかうんですねぇ(長文失礼しました。)
by M_t (2008-09-12 22:12) 

okaz

一応攻略本を見ないでSFC版をクリアした記憶はあります。
というか発売日に喜々として買ったらモノの見事に初期不良品で(タイトルから進まない)交換に一ヶ月かかったのは良い想い出だ。

個人的には「難しい」というよりは「理不尽な謎が多すぎ」。骨の洞窟の入り方とか全アイテム総当たりしたら当たるみたいな感じで。

それ以外の難易度は妥当じゃないかなぁ。例えば「すいもんのカギ」なんかはもはや難易度が付くような謎じゃないすよね、そういう話。

ギミック系の難易度と操作系の難易度ってのもまた別の話ですね。任天堂と言えばF-ZERO GXなんかは酷くて途中で投げた。なんでレースゲームなのに「如何に落ちないか」という事に集中しないとダメなのかと。
by okaz (2008-09-13 01:27) 

an

私もゼルダシリーズではこれが一番好きですね。

後半のダンジョンの1つで苦労しましたが、
全て自力でクリアした覚えがあります(SFC版)。
by an (2008-09-13 21:06) 

ka

当時小学生でしたけど完全自力で解きました。

ただ闇の森の洞窟入り口の像ひっぱれるの判らなくて一週間足止めとか、
水の洞窟雑魚が強すぎで死にまくって泣きそうだったり、
氷の洞窟の石落とすパズルが解くのに友人5人がかりとか大苦戦でした。

ただ小学生の自分が理不尽だなって思ったところは一個もなかったのが、子供ながらに作った人凄いなぁと思いました。
その当時から少し前のゲームはとけなくて当たり前の難度だったので、
解けること自体がすごいっておもってました。むしろ相対的には簡単だったと思う。
by ka (2008-09-13 23:43) 

NO NAME

最近はHalf-Life2のように、物理エンジンを駆使して「やろうと思ったことはなんでもやれる」というタイプの謎解きもありますね。
物理エンジン搭載タイトルなら、爆弾の爆風で本を落としたり、イスを動かしてきて階段を作ったり、弓矢で本を突付いて落としたり、と複数の直感的な解決策が許容されます。
それがパズルとして、ゲームとして面白いのかはともかく。
by NO NAME (2008-09-14 21:56) 

loderun

たくさんのコメントありがとうございます。「神トラは限界値か?」という疑問の参考になりました。
つうか、「自力でクリアしました」との声が多くて、一年も図書館でハマったオレ涙目(笑)

ゲームの難易度に関しては、改めて別のエントリーで取り上げたいと思います。
by loderun (2008-09-15 17:32) 

zentaroh

従兄弟が買ったまだクリアして無い神々のトライフォースを
修学旅行なので…と借りて3日間でクリアしてしまい
凄い怒られた記憶が
by zentaroh (2008-09-26 18:17) 

loderun

こちらでははじめまして。
おお、わずか3日でクリアされたんですか!
う~ん、「ムドラの書」で一年も悩んだ挙句、とうとう自力で解決できなかった僕の方が間違っているのかなぁ?(笑)
by loderun (2008-09-27 09:08) 

pals

我が家ではSFC最初のゲームとして購入しましたね。
今でこそ片手間にクリアできる程度ですが、当時は砂漠の神殿で詰まってました。
鍵が見つからなかったんですよ。
ええ、灯篭に引っ掛かってるやつなんですけどね、テレビがそれなりの大きさで滲んで見えなかったんですよ。

結局攻略本に頼りましたね。
by pals (2009-04-21 13:31) 

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