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『戦場のヴァルキュリア』クリエイターインタビューに涙が止まらない件 [日記・雑感]

クリエイターインタビュー 『戦場のヴァルキュリア』チーフプロデューサー 西野陽氏

・・・素晴らしい。
これほど魂を震わせる文章を目にしたのは、何年ぶりでしょうか。行間から溢れんばかりのオプティミズムが、春の嵐のごとく僕の心の中を掻き回しました。

曰く、「セガはいつも早すぎるんですよ」。
曰く、「前のめりにチャレンジするところがセガのいいところ」。
曰く、「いまだに次のハードやりたいよねって話は、たまにしたりします」。

とどめに、「『Wii Fit』を見ていると、もうゲームじゃないですから」などと聞かされては、涙が傍流するのを堪えきれません。
もはや伝統芸の域に達した空気の読め無さっぷり、いまだに独自ハードの夢を語る時代錯誤感、そして任天堂への苦言を忘れない反骨精神。まるで、純度100パーセントのコカインを鼻から吸引したかのような読後感を覚えました。

これよ!僕らが愛したセガはこうでなくっちゃ!

さすがは、Digraで発表されたユーザーイメージ調査で、「昔はよかった」、「がんばれ」、「復活を期待する」などと、他のメーカーではありえない特異な言葉が寄せられるだけのことはありますね。
今も昔も、宗教的麻薬的カルトファンが支え続ける稀有なゲーム会社 ― それがセガなのです。


思えばセガの家庭用ゲーム事業は、最初から苦難の連続でした。
任天堂で営業部長を務めた駒井徳造氏を迎え、満を持して83年7月にリリースされたのが、同社初の家庭用ゲーム機となるSG-1000です。
しかし、セガにとって唯一にして最大の不運は、時を同じくしてゲーム史を塗り替える大傑作機ファミリーコンピュータが発売されてしまったことでしょう。

SG-1000の初年度の販売台数は約16万台。当時の市場規模を考えると決して悪くない数字ですが、相手があのファミコンではあまりにも分が悪すぎました。
翌84年には再デザイン機のSG-1000 II、さらに85年にグラフィック機能を強化したマークIIIと、セガは積極的な販売展開を推し進めます。しかしその結果は、皆さんもご存知の通りです。

日本中がファミコンブームに湧く86年、セガの駒井専務はインタビューで次のように述べています。

「うちはいいソフトを一発出せば、まだまだ売れます。任天堂は六百万台を越えてもういっぱいですが、うちはまだまだ伸びる余地がいっぱいなんです」
『任天堂の秘密』 上之郷利昭 現代出版(86年)


駒井氏の言葉は、同時に多くのセガファンたちの願いでもありました ――― もっとも、決して叶うことはありませんでしたが。駒井氏の予想を越えて、ファミリーコンピュータは日本国内だけで累計1900万台もの販売台数を記録します。

メガドライブ、サターン、そしてドリームキャスト。
ライバルを任天堂からソニーへと移してからも、ひたすら「セカンドハード」の地位に甘んじてきたセガ・コンシューマー機の歴史は、ついに2007年9月の修理サポート終了を以って完全に幕を降ろしました。
では、セガの挑戦は単なる徒労だったのでしょうか?その答えは、断じて「否!」です。

確かに、過去のセガ作品を振り返ると、ファンですら目を覆いたくなるような凡作・駄作が無数に存在します。
しかしその一方で、炎に身を焼かれながらも常に斜め上の方向へと歩み続けたセガの気高き姿に、多くのゲーマーたちが心を動かされていたのも事実です。
元メガドライバーである僕としては、西野陽氏の心意気を全面的に支持しますね。

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戦場のヴァルキュリア(通常版)

戦場のヴァルキュリア(通常版)

  • 出版社/メーカー: セガ
  • メディア: Video Game

PS3『戦場のヴァルキュリア』は4月24日発売予定です。25年前にSG-1000と共に生まれ出でた種子は、次世代機を舞台にどのような花を咲かせるのでしょうか?
Runner's High!は、『戦場のヴァルキュリア』を心の底から応援します。PS3本体、持ってないけど。


*注 このエントリーは筆者の脳内に存在する歪んだセガのイメージを元に書かれており、ウソ、妄想、誇大表現が多数含まれています。あまり真剣に受けとめないように。

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Aya

やっぱりSEGAらしいというか、ユーザーの予想を斜め上で裏切るゲームを出してくれるのがゲームを楽しむ人として面白い要素ですね。

シェンムーの自由度は「結果的に失敗でもオフラインゲームとして見れば非常に良く出来ている」とか、セガガガの「普通なら企画すら通さないってば!(笑)」とか。

販売数じゃなく、ゲーム内容やシステム面で見ると色んな挑戦をしているなぁ、と今でも思います。
by Aya (2008-03-23 07:24) 

loderun

いや、本当に「前のめりにチャレンジするところ」は、今でもセガの最大の長所だと思っています。
つーわけで、『戦場のヴァルキュリア』のためにPS3本体を買うべきか悩み中(笑)
by loderun (2008-03-23 23:29) 

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