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『機動戦士Zガンダム ホットスクランブル』の誤解 (その3) [レビュー]

その1その2の続きです。

さて、86年以前のキャラゲーでナムコがかかわりがあるタイトルと言えば、答えは一つしかありません。前回のパズルの正解は以下の通り。

遠藤氏 : ガンダムのゲーム作りたかったから 家庭用始めたんだよねぇ・・・*訂正

インタビュアー : ええっ!!そうなんですか!!!

遠藤氏 : うにゃ。 「マクロス」のゲーム作ったときに色々ゴタゴタがあって
       それからナムコはよその版権モノは使わない!って方針だったんだよね。

*(2005/6/7)遠藤雅伸氏本人(!)からご指摘を受けました。お詫びの上、訂正させていただきます。

85年に発売されたファミコン版『超時空要塞マクロス』は極めて不自然なゲームでした。
販売はバンダイ、でも開発・製造はナムコ。
実際の商品を見るとよくわかりますが、カートリッジの形状(メーカーにより形が異なっていた)は明らかにナムコのものです。
さらにラベルシールも申し訳程度にバンダイのロゴが入っているだけで、コピーライト表記や製品の問い合せ先はナムコになっています。
超時空要塞マクロス (from ファミコン倶楽部 Online Shop

ゲームメーカー間のコラボレーションが当たり前となった現在と異なり、当時このような形態でソフトがリリースされた事は異例です。少なくとも、本件でナムコが後発メーカーのバンダイと提携する利点を見出すことができません。僕も子供心に不思議に思っていたものです。
しかし、遠藤氏の発言から『マクロス』については権利関係の問題があったことが判ります。

ここまでの話から、勘の良い方はナムコに先んじてバンダイが発売していた『マクロス』のゲームを思い出されるのではないでしょうか?そうです、アルカディア版『マクロス』です。
アルカディア (from Nostalgia
推測ですが、『マクロス』の家庭用機へのゲーム化権をバンダイが握っていたため、ナムコは自社販売することが出来なかったのではないかと考えられるのです。

この混乱の責は、『マクロス』の版権元のビッグウエストにあるのか、それともバンダイとの契約を把握していなかったナムコにあるのか―それはわかりません。しかし遠藤氏の発言によれば、この一件に懲りたナムコは以後、版権モノのゲーム製作に対して及び腰になった模様です。
ナムコブランドで初めてのキャラゲーは、87年に発売されたアドベンチャーゲーム『さんまの名探偵』です。さらに同年には、アトラス開発の『デジタル・デビル物語 女神転生』が続きます。ナムコが版権モノを「解禁」した経緯を窺い知る事はできませんが、この2作が今でも名作との呼び声が高いのはナムコにとっては皮肉であるように僕は思えます。

さて、“キャラゲーの法則”に話を戻しますが、実際問題としてバンダイの一連のファミコンゲームが決定的に破綻していた内容かと言うと、そんなことは全く無いと思います。同時期にもっと非道いゲームを作り続けたメーカーはいくらでも存在しますし(笑)

また、『ホットスクランブル』の小学生のテストプレイヤーの逸話の通り、バンダイ自身はかなりまともなマーケティングの手法を取っていたことがわかります。メインユーザーである子供の視点を汲み取る作業を怠っていなかった事実は、無視することの出来ないものです。
遠藤氏も、「ターゲットとなる層の意見を最大限反映させるために、別ソフトを作っ た」ことにより、「商品としては成功」した点についてはバンダイに感謝している旨の発言を行っています。

結局、バンダイのファミコンゲームが槍玉に挙げられる理由には、「自分達の大好きなキャラクターがゲームになる!」と期待が大きかった分、ほんの小さな不満でも反感を強く覚えてしまった子供の頃の「苦い思い出」が多分に含まれていると僕は考えます。
「デモだけはかっこいいのに…」と不満顔だった僕の友人も、何だかんだ言って『ホットスクランブル』にハマっていましたし(笑)。

バンダイが発売した「機動戦士ガンダム」シリーズのビデオゲームソフトは、04年2月末日付で累計出荷数2000万本を突破しました。『ホットスクランブル』から数えて18年間にわたり、幅広い年齢層のファンに支持されてきた証です。(*注7
「機動戦士ガンダム」シリーズ ゲームソフト累計出荷数2000万本突破
(from BANDAIプレスリリース)

奇しくも本日4月7日は、シリーズ最新作のPS2ソフト『機動戦士ガンダム一年戦争』の発売日です。

機動戦士ガンダム 一年戦争

機動戦士ガンダム 一年戦争

  • 出版社/メーカー: バンダイ
  • 発売日: 2005/04/07
  • メディア: ビデオゲーム

バンダイとナムコが協同開発したこのゲーム、ファミコン版『マクロス』という過去の一件を思うと、また違った見方ができるのではないでしょうか?

(了)


(参考リンク)
機動戦士ガンダム一年戦争 『PROJECT PEGASUS』
プレスリリースを見ての通り、この『一年戦争』はバンダイとナムコが「機動戦士ガンダム」を題材としたゲームソフトの共同開発を行う企画、『PROJECT PEGASUS(プロジェクトペガサス)』の第一弾のソフトだ。発売日当日にこういうことを言うのもなんだが、第二、第三弾はどのようなゲームになるのだろう?

バンダイ、「PROJECT PEGASUS」第1作 PS2「機動戦士ガンダム 一年戦争」発表会を開催 (from GAME Watch)
最近、『一年戦争』のTV-CMをよく見かける訳だが、「サウナで黙々とゲームをプレイする少女」はこの人なんですね。ところで、ガンダムは「第九」って感じじゃないよね。「第九」ならエヴァだよ、エヴァ。

Zガンダム 公式サイト
多くのアニメファンを驚かせた、まさかのZガンダムの劇場映画化。『機動戦士Zガンダム ‐星を継ぐ者‐』の公開は05年5月28日です。
オールドファンの皆さんは『エゥーゴ VS ティターンズ』ではなく、ここは是非とも『ホットスクランブル』をプレイしながら公開までモチベーションを高めること(笑)


*注6 この、「ガンダムがきっかけでナムコ退社」のくだりは「機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡」公式ページに収録のインタビューで、遠藤氏がはっきりと明言している。(詳しくはこちら
それにしてもプレゼント品のファミコンミニ版『ホットスクランブル』、ネットオークションでスゴイ値がついてますね。
*(2005/6/7 取消線追加)誤った表現でした、訂正させていただきます。

*注7 プレスリリース中に「ホットスクランブルがシリーズ第一弾」との表記があるが、アルカディア版やMSX版を忘れないであげてください(笑)。
(参考リンク)
ガンダムゲーム図鑑
同サイト内のガンダム年表がいい感じ。「ガンプラで将棋倒し」は懐かしいニュースだ(実話です)。


□最後に
かなりの長文におつきあい下さり、ありがとうございます。我ながらこんな内容になるとは思ってもみませんでした。
リンクさせて頂いた個人サイトの皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
この文章を、例の「デモはいいんだけど…」とホットスクランブルに対してしきりにこぼしていた幼き頃の友人、N君に捧げます。


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遠藤 雅伸

 マクロスに関する考察部分は、事実と異なっています。残念!(笑)
 また、「家庭用始め」が正解の部分が不穏当な発言にされていて、遺憾です。
by 遠藤 雅伸 (2005-06-07 18:19) 

loderun

はじめまして。この度はコメントありがとうございました。
正直、非常に驚いております。

まず初めに、「遺憾」とのご指摘を受けた部分につきまして事実誤認であった事を深くお詫び致します。申し訳ありませんでした。
ただし釈明させて頂きますと、

(1)原文の引用部分について、「@@@」と二箇所で同じ伏字が使用されており、「@@@はよその版権モノは使わない」の部分は「ナムコはよその版権モノは使わない」と考えるのが妥当と思われた。
故に、もう一方の部分を「ナムコXXたんだよねぇ」と推測した。

(2)「戦士達の軌跡」インタビューから、ガンダムのゲーム化と遠藤氏の独立に深い関係があると考えた。

(3)さらに言うなら、伏字にしなければならないほど「不穏当な発言」であったと邪推した(苦笑)

以上の通り、すべては私の誤読であり、他意は無かったことをご理解頂ければと思います。

さて、第二にマクロスについても誤りであるとのご指摘を受けました。
この件については、私自身も本文中で「推測」であると述べております。
しかし、ゲーム化権とまではいかなくても、ライセンス貸与は一業種につき一メーカーとするのが当時としては常識であるように思え、上記の仮説を採用したのです。

そこで、誠に勝手なお願いですが、もしも差し障りが無ければ本件の真相についてご教授をお願いできませんでしょうか?
「なぜ、ナムコはバンダイを通してマクロスを発売したのか?」は幼い頃からの私の謎だったのです。

以上、お詫びかたがた、お願い申し上げます。
by loderun (2005-06-07 22:37) 

師子乃

初めまして。

版権問題はしっかり話し合いが必要でややこしいですね。


by 師子乃 (2020-07-19 13:45) 

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